2009年10月18日日曜日

2つの展覧会

京都国際近代美術館で開催されていたウィリアム・ケントリッジ展
行ってきました。「動くドローイング」と呼ばれるケントリッジの
アニメーションフィルムは木炭で描かれたドローイングを
少しずつ消しては描き、消しては描いての気の遠くなるような作業を
繰り返して制作されているようです。

作品テーマがアパルトヘイトなどの南アフリカの歴史、社会状況
を反映させたものなので、非常に重々しい雰囲気が会場を
漂っていて、音楽とともに、銃声のような音、叫び声のような音
なども続くので全て見て回るとちょっと疲れてしまいました・・・

ただ、”ドローイングをアニメーションにする”、ということを
絶対やってみたい!といつも思っているので、
とても参考になりました。









その後は近代美術館のすぐ近くで、お気に入りの細見美術館へ。
2つの美術館を観ると割引になるんですね。今は”鈴木基一の魅力”が
開催されています。ケントリッジの混沌とした世界から、一気に
花鳥風月などの静寂かつ雅な世界へ。
中でも素敵だったのは、遊女が朝、客を送り出した後
ほっと一息をついている絵。ささっとさりげないタッチで描かれた、
まあるい体の遊女はどことなくユーモラスで可愛いらしい
雰囲気があります。

正直「ほっ」としたのですが、同じく近代美術館から流れてきた
おじさんが「あ〜こっちのは目が休まる・・・さっき観てきたのは
ナントカナントカ・・・」とつぶやくのを聞いて、ああそうかと
一人納得してしまいました。当然なのですが、それぞれの絵には
それぞれの役割があり、どちらも観ている私たちに大事な事を
感じさせてくれるのです。

自分の絵だったらどんな役割があるんだろう・・・??
とにかく対照的で、いろいろ考えさせられた2つの展覧会でした。

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